
前々回から続く、状況にあった話し方、声の出し方です。
ここまでの流れは、前回、前々回の記事を呼んでくれるとわかりやすいと思います。
あなたのおかれている状況は、
①状況は「入社当日、配属部署で全員の前であいさつのスピーチをしなければいけない」。
②あなたのこのスピーチで目指す目標は「さわやかのイメージ」を聞いている人に与えること。
前回は発声の基礎の部分と、トーンについてお話しましたね。
今日は、「テンポ」について、そしてそのトレーニング方法です。
テンポ
簡単に言えば話すスピードです。
前々回に少し触れましたが、聞き取りやすいといわれているスピードは「1分間に300文字くらい」のテンポです。
今回は、「さわやかさ」を出していきたいので、そのテンポよりすこーし、本当にすこーしでよいのですが、早めがよいです。
ただ、早めにするということはおそらく意識しなくてよいです。
なぜなら、スピーチには「緊張」という強敵が待ち構えています。
緊張をするとほとんどの人は、テンポが速くなります。
そのため、「1分間に300文字くらい」の練習をすれば、結果少し早くなっても大丈夫というわけです。
トレーニング方法
……まず時計を用意して、時間を計りながらしゃべってみて……
……
ちょっと待ってください!
この方法は、少しおいておきましょう。
後で説明しますが、最初からこの方法をとることはあまりおすすめできません。
まず第一にやっていただきたいのは、「今回のスピーチで、何を、どのように伝えるか」を考えることです。
例えばです。
「本日よりこちらの部署で~」という前置きのあいさつ
「○○を頑張りたい~」中盤の……例えば意志を伝える内容
「~本日よりよろしくお願いします」締めの言葉
こんな構成だったとします。
前置きの挨拶をどのように伝えましょうか? さわやかに「笑顔で明るく?」 さわやかに「しっかりと?」
中盤の、いわば意志表明。 どうしますか? 明るく? 真剣に?
締めはどうしましょう?
……
かなり細かくしましたが、こんな感じです。
ざっくりまとめると、話す内容をどんな感情をこめて話しましょうか? ってことです。
まずは、時間を計らなくてよいです。というか、計らないでほしいです。
内容を気持ちを込めて、時間を気にせず「話してみてください!」
……
どうでしょう? しっかり話すことはできましたか?
では、この段階でタイムを計りましょう。
ただし! 注意してほしいことがあります。
絶対に話しているときに時間を気にしないでください。
さっきの感情をこめて「話す」ということだけを意識していきましょう。
話しているときに時間を計っているだけです。
時間を計るために文章を「読んではいけません!」
……
どうでしょう? 1分間で300文字を基準にして、早く読んでしまいましたか?(早い場合は1分間に400文字とか500文字の場合です) それとも遅くなってしまいましたか?(逆に200文字とかです)
大体の人は早くなるかと思います。
この段階で初めて、スピードを意識しましょう。
早く話してしまった方は、もう少し穏やかに話しましょう。話す相手を意識して、その相手に言葉をしっかり渡しましょう。
ゆっくり過ぎた方は、もう少し元気に行ってみましょう。
あくまでも、テンポを意識して、遅くしなきゃ、とか早く話さなきゃ、テンポを変えることを目標にしてはいけません。
大切なのは、「話す」ということです。「読む」ことではありません。
最初から時計で時間を計ってほしくない理由は……もうお分かりかと思います。
……テンポのトレーニングの一部として、一部ではありますがかなり重要な部分は以上です。
昨日のトーンもそうでしたが、実は何かのトレーニングをする際、表面的なトレーニングをしてもあまり効果はでません。
今日であれば「テンポ」=早くしゃべればよいということではないのです。
そのトレーニングをする際、根本にあるものはなにか、そこを直すことによって
結果「テンポ」が速くなる、遅くなるという結び付け方が大切になります。
「1分間に300文字」が聞き取りやすい、
だから、とにかくゆっくり読んで1分間に300文字を「読める」ようになった!
これでばっちり!?
……確かに、音としては聞き取りやすいかもしれません。
しかし、それでは、音として聞き取りやすいだけになってしまうのです。
話す相手の「心に響く話し方」をするためには、「聞き取りやすい音」を出すだけでは足りないはず!
ぜひ、「相手の心に響く話し方」、マスターしてみてください!