地声と裏声

日、こんなお声をいただきました。

「内容が分かりやすいのはいいが、もっと詳しい内容が知りたい! わかりにくくてもいいから書いてほしい!」

なるほど。

 

私自身、前回の補足で少し触れましたが、文章のみで伝えるという難しさを痛感している今日この頃です。

(記事を書いているライターさんたちの技量に感服します。)

そして、なるべくわかりやすくなるよう書いてきたのですが、読んでくださっている方の中には、

「逆に物足りない」と思われる方もいらっしゃるようですね。

 

そんなお声にお応えして!

本日は少し小難しい内容をご紹介します

 

あ、ただこれは重要なことなんですが、

正直、「楽しく、うまく、気持ちよく歌を歌おう!」としたとき、あまり必要ないものが多いです。というか、歌を歌う上で別に知らなくて良いことが多いです。

 

なので、「なんか小難しくてやだな~」と思ったら、飛ばしてください(笑)

バンバン飛ばしても全く問題ないです!

本日も、これを知ったからうまくなる、っていう内容でないので、飛ばしても大丈夫です(笑)

でも一生懸命書きますので、興味がある方はぜひお付き合いください^^

地声と裏声

よく、数回前の記事でもお伝えした、声区の話が出ます。

そして、その流れで、「ミックスボイスは裏声ですか?」「ミドルボイスは裏声ですか?」というようなご質問もいただきます。

結構ランキング上位の質問ですね^^

では、ここで1度考えてみてください。

「地声と裏声の違い」は何ですか?

それが明確にわかるでしょうか。

……普段話している声が地声で、なんかこう高くひっくり返った声で「あ~~~~」って出すのが裏声?

大体あってます。

 

極端にしてしまえばわかりますよね。

低い声で「あ~~~」って出す声は地声

高い声でひっくり返らせてか細く「ぁ~~~~~~」ってさせば裏声

 

では、その間はどこでしょう。

どうなった状態が地声、どうなった状態が裏声でしょうか。

この図をご覧ください。声帯を真上から見た図です。

↑呼吸時の声帯

 

↑発声時の声帯

 

 

そしてとってもざっくりいくと、声を出すときに振動しているのが、

 

声唇呼ばれる部分とその声唇の内側にある声靭帯と呼ばれる部分

 

この2つの振動の仕方が、地声と裏声を分けます。

結論を言ってしまうと、

 

地声:声唇と声帯靭帯両方が振動をする音

裏声:声唇は振動せず、内側の声帯靭帯のみ振動する音

 

となります。

つまり、最初の例でいうと、

 

低い声で話す響きの強い音=地声=声唇と声帯靭帯が振動して発声している音

高い声でひっくり返らせてか細く出す音=裏声=声帯靭帯のみが振動して発声している音

ということです。

 

これが、地声と裏声の分け方です。

じゃあ、高い声を強く出しているときはどうなっているの?

 

声帯は伸縮します。輪状甲状筋という筋肉の働きにより、結果声帯が伸ばされるのです。

高音を出しているとき、声帯は薄く伸ばされ、そこに呼気を当て振動させることにより高音が発声します。

(輪ゴムを想像していただくとわかりやすいです。びょーんって長く伸ばしてはじくと高音が出ますよね? あれが声帯でも起こります。)

 

このとき、上記図の発声時、声帯が閉じている方を見てください。

この声帯の閉鎖が強い声に影響します。

 

ここからは、まだわかっていない部分が多く、各ボイストレーナーによって意見が分かれ、賛否両論がでます。

あくまで私の考えを書きます。

 

高く、強い声、それは声帯が輪状甲状筋の働きによって引き伸ばされ、声帯閉鎖をある程度しっかりでき、声唇と声帯靭帯両方が振動する声。

これが高く、かなり響きの強い声が出ている際に起こっていることと考えられます。

また、そこまで響きは強くないとしても、高く、ある程度響きのある声=声帯が引き伸ばされ、声帯閉鎖がある程度され、声帯靭帯のみが振動する声など、

声帯閉鎖と振動個所によって声の響き、今回のタイトルでいうと地声と裏声が変わってくるのです。

 

以上が私の考え方です。

なので、質問ランキング上位の「これって地声? 裏声?」は今声を出しているときに振動しているのは「声唇と声帯靭帯?」「声帯靭帯のみ?」どっちか、によって回答が変わります。

しかし! そんなこと言われたって見えないですよね、声帯。

ファイバースコープを入れながら発声すればわかるでしょうが、(以前外国の研究家が実験でやっていました)まぁなかなかそんなことはできません。

 

だから、そんなに細かく気にしなくていいです。

実際、トレーナーについてボイトレをする方はそのトレーナーに聴いてもらえなわかるかもしれませんが、自分で判断するのはまず無理です。(正直トレーナーも目で見ているわけではないので、100%の判断は無理だと思います。)

 

しかも、「はい、声帯靭帯だけ振動させて発声しましょう!」とか「声唇も振動させてください!」とか言われたって、できないですよね。

なので、ノドを開けてください~、息に声を乗せていきましょうね~、など、比較的わかりやすくやりやすい方法で、結果として「声帯閉鎖をする」とか「声帯をきれいに伸縮させる」に持っていくというわけです。

 

本日は小難しい話をしました。

序盤で書いているよう、これを知っているから歌がうまくなる! ということではないです。

ただ、トレーニングをするうえで、

「今やっているトレーニングはあれをこうするためにやっているのか」

とかわかって少しニヤリとできたりします。

 

ま、そんなもんです(笑)

興味があれば、で結構です。

今後もこんなような小難しいやつをちょこちょこ挟むと思います。

お付き合いいただけると嬉しいです^^

 

 

 

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