
ハイラリンクスという状態をご存じですか?
通称:ハイラリ 高音の発声をトレーニングする際に聞いたことがある方が多いと思います。
本日より2記事に渡って、この「ハイラリンクスについて」「ハイラリンクスにならないためのトレーニング」をお伝えします!
ハイラリンクスって何?
ハイラリンクス。日本語にすると「高い喉頭」です。
上の図で喉頭と書かれている部分が高くなる、つまり上に動くんです。
では、体験してみましょう!
まず、喉ぼとけをさわって下さい。
男性ならわかりやすいと思いますが、女性の場合はわかりづらかったらごめんなさい^^;
首の喉ぼとけの場所を軽く触ったまま、つばを飲み込んでみてください。
……ゴクリ
どうですか、喉ぼとけが上にゴリっと上がっていきませんでしたか?
簡単に言えば、歌を歌っているときに、このように上に喉頭が上がってしまい、そのまま発声をする状態を「ハイラリンクス(通称:ハイラリ)」と呼びます。
この喉頭が上に上がる動きは、食べたものや飲み込んだものが肺に繋がる気道の方に行かないように蓋をしているんです。
本当に人間の身体ってよく出来てますね!
なぜハイラリンクスがいけないか?
ハイラリンクスとは上で説明したように、歌う時に喉頭が上がって気道の入り口を蓋している状態です。
……こうやって文字にすると……結構まずい状態なことがお分かりでしょうか?
良い歌声は、呼吸の呼気、つまりはく息にしっかりと声が乗って、喉が開いた状態で出てくるものです。
ハイラリンクスは、気道に蓋をしています。
……つまり、呼気に乗った声の出口に蓋をしているんです。
これでは上手く声が出てこられません。
そればかりか、声が抜けて出てこないので、なんとか出そうとして、力を入れて強引に出そうとしてしまいます。
その結果、喉周りに過剰な力みが生まれ、声帯を疲弊、さらにやり過ぎると壊してしまうという危険も出てきます。
また、聞こえ方も綺麗な声には聞こえない場合が多いです。
女性の場合は、キンキンした声、
男性は怒鳴っているようなさけび声、
など、心地よく聞こえないことの方が圧倒的に多いのです。
このような内容から、ハイラリンクスは治しましょうね、となるわけです。
ではどうやって治すのか、その部分については……次回の記事でご説明します!
決して先延ばしにしているわけではないですよ、このまま書いていくと、長くなってしまいそうで……(/ω\)
……
次回をお楽しみに!(^^)!
補足
ハイラリンクスの状態ですが、歌うとき、ハイラリ=必ずよくない! ということではない部分があります。
それは、ジャンルや表現を重要視する場合です。
今回の記事で書いたように、ハイラリンクス状態の場合、聞こえ方としては、力で強引に出したような声、つまり楽ではなく、ギリギリで張り上げたような声になります。
この声を表現として使っている方もいます。そしてそれが「かっこいい」となり成立すれば、必ずしもハイラリ=ダメ、ということでもなくなるということです。
しかし、私はそのような発声を使うという方であっても、ハイラリ発声でない楽な発声も身につけることをお勧めしています。
私の経験上、ハイラリ発声しかできない方は当然ハイラリでない楽な声は出せませんが、ハイラリを克服して楽な発声を身につけた方は、状況に応じてハイラリにすることが技術としてできます。
そして、必要な時以外は極力声帯に負担をかけないよう調節できるようになります。
声帯は壊してしまった後に後悔しても元に戻すことが難しいのです!
大好きな歌をこれからも長く歌っていくために、ぜひ楽な発声を覚えてください。
それが私からのお願いです。
少し長くなってしまいましたが、補足でした^^