
今日はこのブログでもちょこちょこお伝えしている表現力のお話。
最近生徒さんとこんなやり取りがありました。
その生徒さんはとっても「うまく歌っていました」。
なので、「うまく歌わないでみてください^^」とお伝えしました。
……生徒さんは、「何言ってんだこの人( ゚Д゚)?」と言いたそうな雰囲気がバシバシ出ていました。
どういうことかというと……
ただ上手な歌ではもったいない
以前も少しふれたのですが、歌が上手い条件は、
・ピッチがある程度合っていて
・テンポがある程度合っていて
・声量がある程度ある
これくらいそろえば、「歌が上手い人」と言えるでしょう。
この段階まで来ることはとっても大事です!
結構な努力は必要ですし、ここまで歌えれば歌っていて結構気持ちいいもんです。
しかし! ここで満足してはすっごくもったいないのです!!
なぜなら、この先がとっても楽しいあなたの表現の世界になるからです!
心を動かす表現は……
あなたが何かに感動するとき……
映画を観たり、歌を聴いたり……
どういったときに「感動」しますか?
……
その表現に「共感」したり、「気づかされたり」……
人それぞれだと思います。
人間は感情の生き物です。
この感情を動かすことができれば「素晴らしい表現」と言えるのです。
さらに想像してみましょう。
あなたが感動させられた表現は「感情にうったえかけてくるもの」ではなかったでしょうか?
そう、ここがキモです!
感情にうったえかけてくるのは機械的に一定なものではおそらくないんです。
うったえかけてくる表現自体が感情的であり、不規則なものだったりします。
ちょっと抽象的になりすぎましたね^^;
ものすごく簡単に言います!
最初にお伝えした
「上手く歌わないでください」というものは
「上手く歌おうとしないでください」という事です。
ピッチやテンポをきっちり合わせることだけに集中して、
さらにそこに「上手そうな雰囲気」を入れてしまうと……
言い方が悪くなってしまいますが、「俺の歌、うまいでしょ?」という表現になってしまいます^^;
これではせっかくここまでうまく歌えるようになったのにもったいない!
だからこそ!
伝える気持ち!
あなたはその歌の歌詞をしっかり把握していますか?
雰囲気で歌ってませんか?
……
「あなたはその歌を聴く人に何を伝えたいですか?」
これです。
ピッチやテンポはとっても大事です。
しかし、人は感情の生き物!
そこだけになってしまい、伝えたい気持ちがなければ、
風呂に入りながら一人で歌っているような「独り言」になってしまいます!
(お風呂で歌う事を悪いと言っているわけではないですよ^^)
「伝える相手」
「伝える気持ち」
「これが伝えたい!」
そんな気持ちがなければ良い表現とは言えないと私は思っています。
まとめ
本日は表現についてお話しました。
勘違いしていただきたくないのは、ピッチやテンポ、声のトレーニングが必要ないという事では断じてないです。
ピッチ・テンポ・発声など、いわゆる「技術の分野」
今回お話したような「感情の分野」
この2つは表裏一体! どちらがなくてもダメなんです。
技術が優れていても感情がなければどこかつまらない歌になってしまいますし、
伝える気持ちがあふれていても、ピッチを外し、テンポがボロボロ、声も出ないとかになってしまえば当然歌として成立しません。
「伝えるための技術」・「伝えるべき感情」どちらも同じレベルで持っていなければいけません!
なので、どっちもしっかりトレーニングしましょう!
技術を得て、あなたの感情を表現できれば、こんなに楽しいことはないですよ!!